生徒を変える言葉を持つ人に
地域キャンパス教頭 佐藤 安弘
生徒の変化に気づく観察力
教員という仕事を選ぼうという人なら、なによりも生徒の進歩や向上に喜びを感じる人であってほしいと思います。それと同時に、生徒の小さな変化にも気づける人であることを望みます。池上学院高等学校のような通信制高校で教えるのであれば、なおのことです。
「教育の原点」に触れる機会
自宅学習が中心の一般的な通信制では、全日制や、通信制ながら毎日通学するコース(本校でいえば総合コース)にくらべて、生徒との接触機会が限られています。それだけに電話やメールなどを介した日々の学習相談、そしてスクーリングの対面授業で、生徒の心に届く言葉、生徒の成長を促す言葉をどれだけ伝えられるかが大切です。私自身、教員の言葉によって生徒が劇的なほどに変化する例を、この学校でたくさん見てきました。
本校には、いまだ悩みの渦中にあったり、過去の不登校が尾を引いていたりする生徒が多く在籍しています。だからこそ、励まし、導き、支える、教員の言葉への期待も大きいのです。教員の側にしてみれば、直接的な関わりの中で生徒の成長を実感できる機会に恵まれていることになります。
教員自身も成長できる場
そのように教育の原点に触れる体験は、教員自身をも成長させることになるはずです。たんにキャリアの上だけでなく、人間としても。ときに一緒に泣き、一緒に笑い、生徒と教員がそれぞれに成長を確かめられる場所が池上学院高等学校です。
それぞれの困難を克服しながら高校卒業資格を得ることは、生徒たちにとって大きな達成目標ですが、その先にも人生は続きます。広がる未来にまでも目を向け、自分で歩む力をつけて卒業してもらうために、本校としても教員の力を一層、必要としているのです。